映画
2022年。ジョン・ワッツ監督。今回のシリーズ、本当によくできていて、最後までとても楽しかった。2作目の『ファー・フローム・ホーム』の方が好きかなって気はするが、3作目となる本作は特に前半が楽しかった。後半、もう少しスパイダーマンらしい可愛げが…
2021年。アダム・マッケイ監督。彗星激突をめぐるコメディ映画。面白かった。『マネー・ショート』や『バイス』は見ていないけど、こういう映画を作る人なんだね、アダム・マッケイという人は。『アントマン』の脚本を書いてるとのことで、確かに『アントマ…
2020年。岩井澤健治監督。原作として大橋裕之の漫画「音楽と漫画」、「音楽 完全版」をベースにしている作品とのこと。正直、最初はあまり期待せずに見始めたのだが、最後まで見終わってとても良い作品を見れたなと嬉しくなった。 どこか愛嬌のある不良たち…
1955年。ニコラス・レイ監督。日本語タイトルがなぜ「追われる男」なのかは、最後までよく分からなかったが、大変素晴らしい映画だった(原題はRun for cover)。参った。 主人公マットは愚かな若者テッドを庇い続ける。物語としては死んだ息子の面影を見る…
2021年。ファン・ドンヒョク監督。ネットフリックスオリジナルで、かなりの大ヒットだそうで、気になって見てしまった。とても楽しかった。『カイジ』では海外の人に見てもらえるような作品には中々ならないだろうな、と『イカゲーム』のような「正解」を見…
1966年。エリック・ロメール監督。撮影はネストール・アルメンドロス。『コレクションする女』『クレールの膝』も撮影監督はこの人だ。やっぱりロメールはいやらしいエッチな人で、研究室で作業に従事する女子学生の振る舞い、つまみの沢山付いた機器、試験…
1966年。エリック・ロメール監督。男の気まぐれを描く映画。そういえば『愛の昼下がり』も最後の最後で愛人とセックスしない選択肢を選ぶ映画だった。まあ、あれはその後、奥さんとするんだが。こういう気まぐれってあるよねと思うのは、一体なんだろうと思…
2020年。豊島圭介監督。鑑賞前に想像していたよりも、ずっと面白かった。正直、意外だった。メインとなる東大での議論は全部でなくても、結構テレビやネットで見たことのあるものだった。今更それを見てもなぁ、と思っていた。20歳そこそこの学生と40歳を超…
2013年。宮崎駿監督。面白いよね。やっぱり。面白い。大野佐紀子さんの以下の記事ががまずど真ん中の感想としてあると思う。 「男の子」は高いところばかり見ている(あるいは昔、飛行機乗りだった父へ)‥‥『風立ちぬ』感想 - ohnosakiko’s blog こうした子…
2021年。村瀬修功監督。ガンダムシリーズは、特に宇宙世紀シリーズは、人間ドラマを重視しているように見せかけて、その実、女性キャラを全く説得的にも現実的にも魅力的にも描けていない。もちろん、その事実はみんなが知るところだろうが、そもそも男キャ…
2021年。濱口竜介監督。面白かった。濱口作品の中でも、とてもメジャー感がある作品だと思った。オープニングが長すぎてウケてしまった。「ここから始まんの?」とみんな思ったのではないか。 濱口映画ではお馴染みのネトラレ。そこから入るオープニング。し…
1970年。エリック・ロメール監督。「六つの教訓話」シリーズの5作目。このシリーズは別に話が繋がっているわけではないので、どの作品から見ても良いのだね。今作はロメール作品の中でもかなり気に入ってしまった。本当に面白かった。ラストのクレールの膝に…
2018年。細田守監督。意味が分からない。最初に戸惑ったのは、序盤のくんちゃんが犬に変身するシーンだ。あのくだりはなぜ必要だったのだろうか。子供の想像力の奔放さを表現しているということだろうか。非常にステレオタイプであり、あまり奔放さも自由さ…
1961年。ロバート・アルドリッチ監督。めちゃくちゃ面白かった。脚本はダルトン・トランボ。原題は"The last sunset"。主演はカーク・ダグラスに、ロック・ハドソン。あまり前評判を聞くことなく見たのだが、大変に面白かった。人物描写が素晴らしい。カーク…
1967年。エリック・ロメール監督。13分の短編ドキュメンタリー。どのショットも人工物かと思うほどに美しい。田舎の不穏な空気を最後にチラッと見せるように終わる。素人の農婦も、ロメールが撮ると、ロメールの作る物語の中のフィクション的な登場人物のよ…
1972年。エリック・ロメール監督。相変わらず面白い。エリック・ロメールの会話はとにかく退屈しない。ほどよい緊張感につい笑みが浮かんでしまう。 妻が2人目の子供の出産を控えている弁護士フレデリック。突如再会した旧友の女性、クロエ。彼女の奔放な振…
1957年。ダグラス ・サーク監督。いやぁ、面白かった。もちろん「随分アメリカ人に都合のいい話だな」とかツッコミどころは色々あるのかもしれない。しかし、例えば物語の中で、主人公が誰を守るとか、誰から慰められるとか、誰から説教されるのかとか、誰が…
1976年。イングマール・ベルイマン監督。『鏡の中にある如く』よりは私は楽しく見ることができた。若干空回りというか、ん?という所もあるのだけど、それでも中々見せてくれる。ホラー映画的なイメージもとても楽しかった。ベルイマンはなんだかんだ言って…
1963年。イングマール・ベルイマン監督。いちばんベルイマンの作品の中でピンとこない映画だった。狂気の娘、作家である父親の素朴な芸術感、性への欲望を持て余す弟、妻への愛と人生をそつなくこなす医者である夫。 あらゆる通俗さが、これまで好きだったベ…
1963年。イングマール・ベルイマン監督。嫌悪し合う姉妹のホテルでの生活。妹の一人息子を含めた3人のチグハグで奇妙な有り様が、過剰に性的なイメージで彩られる。 セックスや裸体の表現はもちろん、自慰行為、少女的なドレスを着させられる少年、劇場での…
1973年。福田純監督。Netflixの『ゴジラSP』を楽しむ前に見ておいた方が良いとの話をネットで見て、見てみた。何を楽しめば良いのか、難しかった。理不尽さや滑稽さは確かに楽しいのだけど、それを楽しむ時間が少しもったいないと思ってしまう。私の貧乏性が…
1985年。リチャード・ドナー監督。テレビで久しぶりに放映するとのことで、録画して観た。冒頭のカーチェイスが素晴らしいと思った。個々の要素は、今見ると色々キツイところはあるのだけど、それはそれとして、とにかく懐かしかった。吹き替えも当時のまま…
2021年。庵野秀明総監督。今の日本のアニメの実力がこれなんだと思うと、少し寂しい。いや、庵野さんが別に日本の代表というわけでもないんだろうけど、なんというかこんな子供っぽい物語を描くことに注がれた心血の量を思うと、茫漠とした気分になる。おそ…
1985年。ロバート・ゼメキス監督。公開から35年後にして、ようやく親子で見た。なんだかとても素晴らしい時間だった。2年前に一人で見た時には「子供の頃に楽しく観た時に比べると、あんまり面白くないな」と思った。しかし改めて娘と妻と一緒に見た『バック…
1973年。ジョージ・ルーカス監督。好きだな、『アメリカングラフィティ』。なんだかピリッとしない映画ではあるんだけど、のらりくらりとこの世界に浸ってしまうし、それが心地いい。これが1970年代の空気(その時代に想像するベトナム戦争前の空気?)だっ…
1948年。ジョン・ヒューストン監督。最後まで痛快で、実に楽しい。金を入手した男が、どんどんと狂気に染まっていくわけだが、決してフリークス的な狂気ではなく、日常や常識や合理性と地続きの狂気という感じで描かれるところが良かった。 ハンフリー・ボガ…
1970年。山田洋次監督。シリーズ第五作目。シリーズの定番が全部詰まったような作品。ヤクザ者の親分が息子に会いたがるのも、会えずに死んでしまうのも、あっさりしてて良い。そして寅さんの苦悩もまたあっさりしている。寅を振る節子の振る舞いも実にあっ…
ミヒャエル・エンデ著。日本語訳は上田真而子、佐藤真理子。1979年刊。日本での初版は1982年。 素晴らしかった。とにかくもう最高だった。これは俺だと読みながら叫んだ読者はどれだけいるだろう。本を読むことをここまで勇気づけるというのは、どういうこと…
2020年。ロン・ハワード監督。ちゃんと面白かった。面白かったし、よくもできているんだけど、どこか物足りないと言うか、しかしこの物足りなさこそがこの作品の良さなんではないかとも思う。これ以上、社会の構造的問題を明確に描こうとすると、監督の手に…
2020年。スコット・フランク監督。Netflixオリジナルシリーズの全7話の連続ドラマ。面白かった。とにかく丁寧に作られている。個人的に素晴らしいと思ったのは養母と主人公との関係の描き方。お互いを尊重しながら、かと言って近づきすぎず、探り合いながら…