映画と映像とテクストと

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『悲しみは空の彼方に』を観た

1959年。ダグラス ・サーク 監督。黒人女性と白人女性がひょんなことから共に暮らす。その半生。人種差別的な問題も当然描かれるわけだが、その描き方が実に現代的に思える。共に生活している白人女性が、黒人女性が築いているコミュニティの存在を全く気づいていないというシーンはとても面白い。生活圏が本当に別れているんだということが良いことも悪いことも含めて実に穏やかに表現されている。

 

ラストの葬式のシーンは何度見ても泣いてしまうが、それ以上に、その堂々たる雰囲気が気持ちいい。自分自身は立派な葬式を挙げたいなんて、今まで一度も思ったことはないが、そう願う気持ちの気高さに、頭を下げたくなる。サークの映画は本当にいい。ただただ見ていたい気持ちになる。傑作。