映画と映像とテクストと

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『キング・コング』を観た

2005年。ピーター・ジャクソン監督。ピーター・ジャクソンえらいなーと思った。『キングコング: 髑髏島の巨神』(2017年)に比べると50倍くらい面白い。サスペンスとしてもちゃんとしてるし、お話の展開はかなり強引でどうかなってところもあるんだけど、それでもキングコングの存在を理解できるものとして描こうとしたことは伝わってくる。3時間越えという完全に娯楽作品としていかがなものかという長さには呆れるけど、それでもグイグイと魅せる絵で見る者を惹きつけ続ける力量はさすがだと思った。どこか平凡じゃない感じがあるんだよな、どことなくおかしくて、そこが目を引く。

 

キングコングが完全にバカな男の戯画であるわけだけど、こういう男を描くのには、もはやクリーチャーとして描くしかないのかなとも思う。原住民の描写など、2005年とはいえ、当時でもかなり政治的に正しくない描き方だと非難されてもしかたがないようにも思える。しかし、白人の男たちの傲慢さがよく出ていたので、バランスの取れているように見える映画。そんなところも見所かと思う。