映画と映像とテクストと

映画や読んだ本などの感想を書きます。ビデオゲームについてはこちら→http://turqu-videogame.hatenablog.com/

『フレンチコネクション2』を観た

1975年。ジョン・フランケンハイマー監督。ドイル刑事の前作の破天荒ぶりが、続編になって弱まったりしているのでは?などという邪推を真正面から覆してくる作品だった。というかさすがにやりすぎではないだろうか。いや、笑ってしまうくらいにめちゃくちゃである。フランスという外国に来て、フランス人潜入官は殺しちゃうし、ホテルはガソリン撒いて燃やすし、独断でシャルニエは撃ち殺すしで、ニューヨーク以上にやりたい放題で参った。唯一、ドイルがヘロイン漬けにされたことをアンリがカルテを残さないように揉み消すシーンがあったが、そんなのは放っておいても問題ないくらいに小さい話のように思える。ウケる。

 

前半は、フランス観光のようなゆったりとした進行ながら、後半になると見所を凝縮したような急展開が続く。やはり前作の方が面白かったと思うが、続編としては結構良くできていると思った。いや、見応えのある絵も多いし、ストーリーのめちゃくちゃぶりはちょっとどうかと思ったが、街にジーン・ハックマンが歩いているだけで見ていて楽しくなってしまう映画だった。自分にとって、フレンチコネクションは街の映画だという印象が強くある。あんなどうしようもない男でも静かに街は抱えてしまう。街というのは懐が深い。