映画と映像とテクストと

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『キング・コング』を観た。

1933年。メリアン・C・クーパー、アーネスト・B・シェードザック監督。2005年の『キング・コング』を見たこともあり、ぜひ1933年版を見たいと思っていたら、たまたまケーブルでやっていて見てしまった。実に面白かった。たった100分でエンパイアステートビルまで展開する、その流れの良さには感心した。アンが原住民に攫われることに船員達が気付くところとか、ドリスコルが囚われたアンの元にたどり着く流れなどは、2005年版よりも1933年版の方が自然ではなかったかと思ったほど。

 

2005年版と同じなんだと思ったのは、ティラノサウルスの口を開いて殺すところ。死んだティラノサウルスの口をパカパカする部分までオリジナルの1933年版にあることを知って、ちょっと興奮した。あとやはりというか「世界第8の不思議!」の箇所は同じなんだなと思った。オリジナルを見て映画産業を志したというピーター・ジャクソンは本当にオリジナルを今の時代に蘇りさせたかったのだとあらためて思った。

 

違うところとしては、オリジナルでは原住民が原住民の若い女性をキングコングの生贄にしようとしていたのに、金髪白人のアンを見てアンを代わりの生贄にしようとするところ。確かに問題のある表現で、2005年版ではバッサリなくなっていた。また、ラスト付近で扉を破ろうとするキングコングに対抗する為、原住民と白人の船員達が協力する展開も2005年版ではなくなっていた。なんとなく分かる気もする。

 

とにかく、2005年版と1933年のオリジナル版はセットで見るとすごく色々な視点で映画を鑑賞できるので、その点はすごく楽しかった。