映画と映像とテクストと

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『カプリコン・1』を観た

1977年。ピーター・ハイアムズ監督。リアリティに難があったり、ご都合主義的な展開があったりと、様々な難点はあるものの、楽しく2時間が過ごせてしまう。結局、黒幕というのは一体誰だったのか、あまりよく分からない脚本なのだけど、出てくる政治家たちのイヤらしさや、プロジェクトの責任者である博士の物言いが、とてもよくできていて、そこに見応えがあり、なんだか納得してしまう。政治サスペンスとしても、どこか二流感の漂う出来ながら、これだけ面白いのは本当に不思議。

 

どう考えても無理のある説明や理屈を、時に社会の大人たちは捻り出さなければならない状況に陥ったりするわけだけど、そういう無理のあるプロジェクトを押し付けられた責任者の博士に感情移入して見ると、とても味わい深い映画になる。