映画と映像とテクストと

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『アウトレイジ 最終章』を観た

2017年。北野武監督。あまり良い評判を聞かなかった3作目。確かに前2作に比べると、ちょっと展開が強引で、武演じる大友の無鉄砲さがある意味最もコミカルだったと言えるかもしれない。

 

しかし、それでも自分は面白い作品だったと思う。大友と彼が身を寄せる韓国系マフィアとの間には、微かな友情というか仁義というものが感じられる。しかし、大友自身はそうした仁義とか義理というものを大して信じていないように思える。しかしそんな大友がシリーズを通して一番ヤクザ的仁義を体現する。そうした矛盾を、3作目である最終章まで一貫して描き切ったことは凄い。ヤクザのカッコ悪さと両立するカッコ良さというものがあるとすると、その矛盾に根があると北野武が直感しているように思う。