映画と映像とテクストと

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『宮本武蔵 一乗寺の決斗』を観た

1964年。内田吐夢監督。吉岡一門との決着が描かれる4作目。前作で清十郎を倒して、次は弟の伝七郎に狙われる。三十三間堂での戦いはなかなかかっこいい。遊郭吉野太夫が全てを見透かすようなことを言うのも、なんだか面白い。すごいんだか滑稽なんだか、よく分からない。そのふんわりと宙に浮いて、気持ちや理解の落ち着き場所が覚束ない感じが面白い。いや、面白いのかどうかも覚束ない。

 

ラストの一乗寺の下り松での決闘。武蔵が最後は「来るなー、来るなー」と叫びながら逃走する。あれだけの大人数を相手に負けていないのに、子供は殺してしまうは、田んぼの中で泥だらけになりながら叫ぶわと、現代の一般的な(?)宮本武蔵像とは違う印象の武蔵が描かれる。有名な作品ながら、ちゃんと見てみると「こういう映画だったんだなあ」とつくづく思う。原作はどういう感じなんだろう。

 

このシリーズ、お通さんと子供の城太郎が出てくると、凄く冷める。そういう印象が強くある。