映画と映像とテクストと

映画や読んだ本などの感想を書きます。ビデオゲームについてはこちら→http://turqu-videogame.hatenablog.com/

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

『ダンケルク』を観た。

2017年。クリストファー・ノーラン監督。『テネット』を見たことだし、前作を見たくなって、見た。ノーランは大して面白くない話を本当に面白そうに撮るなぁと思う。あまり知的ではないかもしれないが、印象的な画も多い。 戦争の一体何を描きたいのか、よく…

『TENET(テネット)』を観た

2020年。クリストファー・ノーラン監督。ややこしい話。でも楽しかった。みんなが盛り上がっているのも、なんだか楽しい。コロナで映画館に行けなかったけど、こうしてイベント的に盛り上がるキッカケになっていることには、なんだか感慨深いものがある。 ノ…

『宮本武蔵 一乗寺の決斗』を観た

1964年。内田吐夢監督。吉岡一門との決着が描かれる4作目。前作で清十郎を倒して、次は弟の伝七郎に狙われる。三十三間堂での戦いはなかなかかっこいい。遊郭の吉野太夫が全てを見透かすようなことを言うのも、なんだか面白い。すごいんだか滑稽なんだか、よ…

『宮本武蔵 二刀流開眼』を観た

1963年。内田吐夢監督。序盤から実に面白い。花を切り落としたその切断面を見て、石舟斎の力を武蔵が見抜くというワクワク展開で気持ちが昂る。 本作は吉岡清十郎にかなりフォーカスが当たっている点が面白い。名人の子供であり、京都一の道場の主人であり、…

『宮本武蔵 般若坂の決斗』を観た

1962年。内田吐夢監督。蔵に篭った武蔵がいきなり真人間になったかと思ったら、3年間ひたすら待ち続けたお通を捨てて剣の道に生きると言う。なんだか、とんでもない女の振り方をする。しかしお通は健気に武蔵を追おうとする。すべてが狂っていて大変面白い。…

『ブローニュの森の貴婦人たち』を観た

1945年。ロベール・ブレッソン監督。面白かった。ブレッソンの映画の中でもかなり話の筋を追い易いし、分かりやすい。振られた女の復讐の物語。復讐といっても、かわいらしい復讐という気もする。 動きが少なく、そこに神経が張り詰める気持ちよさ。ブレッソ…

『宮本武蔵』を観た

1961年。内田吐夢監督。叫ぶ。みんなが叫ぶ。それがちょっと面白い。そして笑う。狂ったように笑う。最後、武蔵が牢に入れられる流れがすごく急テンポで、なんというか、それもおかしな感じがして面白い。そして武蔵が書物を読み、学問を学ぶことでいきなり…

『12人の優しい日本人』を観た

1991年(平成3年)。中原俊監督。『桜の園』の監督の作品だということを今回初めて意識して見たが、独特のセリフの間合いとか、室内の埃の舞いが光をたたえるような感じが、確かに『桜の園』に似てるような気もした。三谷幸喜の脚本が面白いのはもちろんなの…

『バンテージポイント』を観た

2008年。ピート・トラヴィス監督。面白かった。かなり色々と都合が良すぎたり、甘い感じはあるんだけど、最初の23分間を繰り返す構成はそれなりに機能していて、面白い。出てくる俳優陣がえらく豪華。安っぽい感じがとにかく見やすさに繋がっている。 ラスト…

『タバコ・ロード』を観た

1941年。ジョン・フォード監督。びっくりした。なんかあまり気乗りがしないままに見始めたのたが、終盤ではなんだかとんでもないものを見させられた気分になった。 喜劇なんだけど、ほとんどマトモな人間が出てこない狂乱の映画であり、恐怖さえ覚える。息子…

『拳銃王』を観た

1950年。ヘンリー・キング監督。西部一の早撃ちと名高いジミー・リンゴの物語。カイエンの酒場を舞台に入れ替わり立ち替わり、様々な人間がリンゴに会いにくる。その様が非常に面白い。ある者はリンゴに勝負を挑み、ある者は追放しようとし、ある者はかつて…

『赤い河』を観た

1948年。ハワード・ホークス監督。素晴らしく面白かった。西部劇の要素が詰まった傑作。ラストの「え?なんなんそれ、なんなん!?」まで含めて、本当に面白かった。ベスト1西部劇に挙げるのはやや抵抗があるけれど、人にオススメしたい西部劇としてはナンバ…

『蜘蛛巣城』を観た

1957年。黒澤明監督。面白い。浅茅の怖さ。良い。三船が砦を上下に行ったり来たりするカット、本当にかっこいい。マクベスの翻案だということを意識したせいか、とても演劇的な映画だなあという印象を受けた。特に室内で1人の人間を頭から足まで中距離から全…

『アパッチの怒り』を観た

1954年。ダグラス ・サーク監督。サーク監督の西部劇!ということでかなり楽しみにしていた作品だったが、やや肩透かしを喰らったような、素朴に面白い作品というわけではないかった。しかしこれは「サークの映画だ」という意識があるからかもしれないが、80…