映画と映像とテクストと

映画や読んだ本などの感想を書きます。ビデオゲームについてはこちら→http://turqu-videogame.hatenablog.com/

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ガン・ファイター』を観た

1961年。ロバート・アルドリッチ監督。めちゃくちゃ面白かった。脚本はダルトン・トランボ。原題は"The last sunset"。主演はカーク・ダグラスに、ロック・ハドソン。あまり前評判を聞くことなく見たのだが、大変に面白かった。人物描写が素晴らしい。カーク…

『モンフォーコンの農婦』を観た

1967年。エリック・ロメール監督。13分の短編ドキュメンタリー。どのショットも人工物かと思うほどに美しい。田舎の不穏な空気を最後にチラッと見せるように終わる。素人の農婦も、ロメールが撮ると、ロメールの作る物語の中のフィクション的な登場人物のよ…

『愛の昼下がり』を観た

1972年。エリック・ロメール監督。相変わらず面白い。エリック・ロメールの会話はとにかく退屈しない。ほどよい緊張感につい笑みが浮かんでしまう。 妻が2人目の子供の出産を控えている弁護士フレデリック。突如再会した旧友の女性、クロエ。彼女の奔放な振…

『大空の凱歌』を観た

1957年。ダグラス ・サーク監督。いやぁ、面白かった。もちろん「随分アメリカ人に都合のいい話だな」とかツッコミどころは色々あるのかもしれない。しかし、例えば物語の中で、主人公が誰を守るとか、誰から慰められるとか、誰から説教されるのかとか、誰が…

『鏡の中の女』を観た

1976年。イングマール・ベルイマン監督。『鏡の中にある如く』よりは私は楽しく見ることができた。若干空回りというか、ん?という所もあるのだけど、それでも中々見せてくれる。ホラー映画的なイメージもとても楽しかった。ベルイマンはなんだかんだ言って…

『鏡の中にある如く』を観た

1963年。イングマール・ベルイマン監督。いちばんベルイマンの作品の中でピンとこない映画だった。狂気の娘、作家である父親の素朴な芸術感、性への欲望を持て余す弟、妻への愛と人生をそつなくこなす医者である夫。 あらゆる通俗さが、これまで好きだったベ…

『沈黙』を観た

1963年。イングマール・ベルイマン監督。嫌悪し合う姉妹のホテルでの生活。妹の一人息子を含めた3人のチグハグで奇妙な有り様が、過剰に性的なイメージで彩られる。 セックスや裸体の表現はもちろん、自慰行為、少女的なドレスを着させられる少年、劇場での…