映画と映像とテクストと

映画や読んだ本などの感想を書きます。ビデオゲームについてはこちら→http://turqu-videogame.hatenablog.com/

2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『スパイ』を観た

1957年。アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督。精神病院が舞台のスパイをモチーフにした映画、と聞けば非常に期待も高まるというものだが、サスペンスや哲学的な問いが推し進められるような作品ではなく、どこかコミカルで、不思議な感触の映画だった。アン…

『ウエスタン』を観た

1968年。セルジオ・レオーネ監督。引き伸ばされたカットに食い入るように見続ける。その若干大げさとも言える緊張感に、共犯関係を結ぶように参加する。アップした顔の造作の猥雑さからも目が離せない。これもまた映画の力なんだと感じずにはいられない。面…

『美少女戦士セーラームーンR』を観た

1993年。幾原邦彦監督。幾原ワールドがちゃんと展開されていて面白かった。短くていい。日本の『キャプテンマーベル』といった作品であった。

『悪魔のような女』を観た

1955年。アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督。面白い。もう本当に完璧で、見ることに全てがある。暗がりから明かりのついた部屋を覗き込むことの恐怖が、こんなにも魅力的に映像としてフィルムに焼けることの奇跡。いやぁ、楽しかった。ラストのとんでん返…

『ミラーズ・クロッシング』を観た

1990年。ジョエル・コーエン監督。最初に見た時に、コーエン兄弟作品の中でも、どこか素直に「いい!」と言い切れないような悶々としたものを感じたのだけど、すごく好きだと思う部分もあったりして、自分にとって不思議な立ち位置の映画だった。今回久しぶ…

『劇場版 機動警察パトレイバー』を観た

1988年。押井守監督。どちらかと言えばPart2の方が好きなんだけど、1も良いよね、と思いながら見た。見終わると「やっぱりPart2の方が好きだな」と思った。 帆場暎一というキャラクターのミステリアスさが、あまりしっくりときていない印象を何度見ても自分…

『恐怖の報酬』を観た

1953年。アンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督。あまりに面白くてびっくりしてしまった。特に前半の主要な登場人物が次々と紹介されていく序盤の面白さに驚いた。なんということはない地味な部分なのに、退屈しない。各シーンが持つ適切感がすごい。特に、昔…