映画と映像とテクストと

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『真昼の決闘』を観た

1952年。フレッド・ジンネマン監督。わずか90分に満たない映画ながら、実に緊張感が漲っていて、見ていて本当に楽しかった。なぜ男は結婚したての日に妻の制止を振り切って、街に残ろうとするのか。その理由を問われ、「よく分からない」とするところが素晴らしい。正義のためであり、街のためであり、プライドのためでもあり、男のあるべき姿へのこだわりでもあり、同時にそのすべてでもない。3対1という不利な状況をどのように乗り越えるか?というようなところにはほとんど重きが置かれていないところが逆に面白い。悪党をほぼ1人で3人やっつけるような凄いことを成したとしても、決してヒーローではない。ヒーローではない男のカッコよさ。

 

映画が始まってから、ほぼリアルタイムに物語が進んでいくという趣向もたしかに魅力であった。面白かった。