映画と映像とテクストと

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『リコリス・ピザ』を観た

2022年。ポール・トーマス・アンダーソン監督。面白かった。1秒も覚えていない『インヒアレントバイス』も面白かった記憶があるが、PTAのじわじわくる面白さはどこかよそよそしさも感じる。日本人には直感的には掴み取れないローカルな肌感覚のようなものがあり、それを十分に理解できてない気がする。本作もまた、映画と自分の間に薄いベールがずっとあるような感覚がある。しかしそれでも魅力的な絵と脚本で楽しくなってしまう映画でもある。

年上女性との甘えたり、ぶつかり合ったりするこの微笑ましいのにグロテスクにも見える恋愛劇は、最後まで爽やかではないのに、見終わった時には不思議と清々しい気持ちになる。