映画と映像とテクストと

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『ガフールの伝説』を観た

2010年。ザック・スナイダー監督。
ふくろうたちの物語。悪いふくろうを良いふくろうが退治する冒険譚だが、登場人物がすべてふくろなのが面白い。

原作は有名な児童文学(?)のようだが、なぜふくろうなんだろうと思ってしまった。まあふくろうは魅力的な生き物なので良いと思う。これがウサギやクマだとあまり疑問に思わないのかもしれないが、鳥類だと途端に不思議に思える。いずれにしろ話自体はとてもよくできた物語。映画としては空中戦の見応えが素晴らしく、ふくろうであることが存分に生かされている。スナイダーらしいスローモーション演出は少なめながらとても自然に使われている。ふくろうたちの、かっこいいこと。
終盤、『名誉とは弱さだ』というセリフがある。これを敵組織に行ってしまった主人公の兄に言わせるところがいかにもザック・スナイダーといった感じがある(原作にもあるセリフなのか?)。敵組織は実力主義の弱肉強食の世界。逆に主人公は物語で読む勇者に憧れを抱き、多くのふくろうを美しく統治する世界を範としている。先のセリフを悪役が言わざるを得ない悲しさ。なかなか良かった。

続編とかがあれば良かったのに。本当に素晴らしい作品だった。