映画と映像とテクストと

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『ヒルビリーエレジー 郷愁の哀歌』を観た

2020年。ロン・ハワード監督。ちゃんと面白かった。面白かったし、よくもできているんだけど、どこか物足りないと言うか、しかしこの物足りなさこそがこの作品の良さなんではないかとも思う。これ以上、社会の構造的問題を明確に描こうとすると、監督の手に余るからなのか、映画の尺として収まらないからなのか、理由は分からないが、うまくいかないような気がする。

 

主人公の彼女のかわいさが救いになっている。それはとても映画的だし、ベタだし、迎合的かもしれないが、良い。お母さんのオカシサもささやかな描き方。『マイライフアズアドッグ』のお母さんとかとは違って、かなりシリアスな状況なのに、どこかカジュアル。しかしこれが今風とも思う。

 

話題の原作の映画化としては、色々と小さくまとまってしまった印象があるものの、よくできた作品ではないかと思う。