映画と映像とテクストと

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『男はつらいよ 望郷編』を観た

1970年。山田洋次監督。シリーズ第五作目。シリーズの定番が全部詰まったような作品。ヤクザ者の親分が息子に会いたがるのも、会えずに死んでしまうのも、あっさりしてて良い。そして寅さんの苦悩もまたあっさりしている。寅を振る節子の振る舞いも実にあっさりしていて、ある意味残酷で良い。寅のどうしようもなさを、どこまでもそのままに描くというのは、本当に面白い。寅さんのどうしようもなさを評価仕切った先にある、無評価の境地というか。寅さんを許すことができるあの人たちを単に家族と呼ぶのは違うような気さえする。もっと尊いもののようにも思う。面白い。