映画と映像とテクストと

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『シュザンヌの生き方』を観た

1963年。エリック・ロメール監督。主人公は薬学部に通う男。彼は親友ギョームの恋人であるシュザンヌを少し小馬鹿にしている。プレイボーイのギョームに弄ばれ、かと言ってそのことを恥じるような雰囲気もないシュザンヌに同情を寄せる気にもならない。その軽薄そうに見えるシュザンヌの生き様を男は明らかに軽蔑する。主人公は、シュザンヌと距離を取りつつ、他の女性(ソフィー)と付き合うなどするが、試験にも落ち、ソフィーとの仲もうまく行かない。最後には、散々下に見ていたシュザンヌが幸せそうに見えてしまってもやもやするという話。『六つの教訓話』シリーズの2作目。55分。

このどうしようもなさがいい。とはいえ、ロメールを見ると毎回同じような感想になってしまう。違う話なのに、なんかいつも同じような話に感じる。面白いからいいのだけど。

男の身勝手さというのが、実によく分かる。ただ、ロメールはそれを「悪い」とか「正当でない」とほとんど思っていないだろう。ただ「みっともなくて、面白い」とかは思っているかもしれない。が、かと言ってそれを反省するような気持ちは持ってなさそうな気もする。そこが、自分がロメールの映画の好きなところでもあるんだろうと思う。