2010年。北野武監督。『日本統一1』を見たせいか、久しぶりに見たくなってしまい、ついつい『アウトレイジ』を見てしまった。ラストの全員殺すエンドは毎回北野映画で笑ってしまうところだが、やはり今回も笑ってしまった。なんでそんなに全員殺すのか。この過剰さは、たけしの芸風を思うと、より「らしい」と思う。
私も好きだが、北野作品では珍しく3部作も作られた作品なので、やはり人気の作品なのだろう。1作目は椎名桔平がいい。最後の殺され方まで含めて、印象深い。
北野作品の湿度と庵野作品の湿度は、どこか似てるような印象がある。サービス精神旺盛で、どこか気取りのない感じというか、気取っているのに、嫌らしくないというか。
いずれにしろ好きなこの映画。どこが良いというわけではないのだけど（いや、分かりやすく面白いとは思うんだけど）、なんだろうね。なんか好きだ。どこかダサい感じも含めて、好きだ。それはビートたけしが、別に芸人として面白いことを言うわけではなくても、どこか好きだ、という感覚に近い気がする。そう考えると、世代によって、この映画への感想も異なりそうに思う。
