映画と映像とテクストと

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『飛行士の妻』を観た

1981年。エリック・ロメール監督。恋人の元カレへの嫉妬から、その元カレへの尾行を行う男。様々な偶然が絡む、どこか皮肉な恋愛喜劇。

撮影監督がネストール・アルメンドロスではなく、ベルナール・リュティック。一目見て、雰囲気の違いがわかる。アルメンドロスのどこか几帳面な感じを与える画面をしばらく見ていたので、最初はちょっと違和感があったが、この感じもいいなと途中から思った。公園のシーンは本当にいい。マリー・リヴィエールの身勝手でやや神経質そうな感じも実にいいが、15歳のリュシィを演じたアンヌ・ロール・ムリの可愛さもいい。16歳とのことだが、もっと大人びて見える。

恥ずかしながら、最後に出てくるリュシィの彼氏が主人公の友人だと全然気がつかなかった(Blu-rayに付いてきたブックレットを読んでようやく気がついた)。

恋愛に絡む、優劣の感覚とその卑しさみたいなものが爽やかに描かれていて面白かった。